Report 2011



  7月29日  Vive la Compagnie & 男声あんさんぶる「ポパイ」応援
  6月07日
  第56回埼玉県合唱祭



7月29日(8月29日:春日部市民合唱祭の写真追加)

Vive La Compagnie & 男声あんさんぶる「ポパイ」応援

◆男声合唱プロジェクトYARO会有志による Vive La Compagnie が全日本合唱コンクールへ挑戦するため、グランツより土田耕太郎、田渕厚行、加藤良一、浅川清の4名が参加している。活動の詳細はここに紹介してある。
 コンクールともなれば、並大抵のことでは済まない。練習計画は日曜中心に金曜も4回含めて、全12回を予定している。そのうち指揮者の小秀一先生は9回出て来られる。それ以外は、副指揮者の須田信男さんが練習を担当する。しかし、今年は大震災の余波で自動車関連企業が休日を土日から木金に変更したため、参加できなくなってしまった人が何人かおり、台所事情はなかなか厳しいものがある。また、練習場所は川越市が中心で北浦和が少し、埼玉東部のメンバーにはちょっときつい。

◆7月24日(日)、春日部市民合唱祭(春日部市民文化会館大ホール)にポパイの助っ人として出演した。加藤峰雄、田渕厚行、江橋幸次、加藤良一、山名勝雄の5名が参加。
 曲目は木下牧子の『虹』と「鴎」。きちんとした練習は前日の1回のみだったが、知らない曲ではなかったのでそこそこの演奏にはなったようだ。講師は埼玉県連理事の岡留昭氏さん。彼はまじめでお世辞を言うタイプではないから、講評はやや厳しめのものだった。

 今回のステージは、行木友一さんの指揮者デヴューという記念すべきものだった。彼の指揮はけっこう熱いものがあり、参加者からは歌いやすいと好評であった。
 
  今回が指揮者デヴューの行木友一さん                 打上げはいつもの中華料理屋の二階で



   大岩誓子さん(左)と春日部混声合唱団のピアノ伴奏者(右)

 春日部市合唱連盟(大岩篤朗理事長)は、今年春日部女子高校へ転勤してきた三沢豊さん(埼玉県連理事)が副理事長となっている。





6月7日

第56回埼玉県合唱祭



 今年の合唱祭は、東日本大震災を受け、『歌の力を復興の力に』のメッセージの元に開催された。最終日に当たる5日目、6月19日(日)熊谷文化創造館には、福島県から加須市に避難されて来ている方々を招待する予定である。

 わがコール・グランツは、第2日目の第1部に出演した。出し物は、多田武彦の組曲「父のいる庭」から『太郎』と『早春』の2曲。
 会場は勝手知ったる埼玉会館大ホール。講師は『大地讃頌』で有名な作曲家の佐藤眞さんと浦和高校で男声合唱を指導している小野瀬副理事長のお二人。

 今回は、朝が早かったため、当日の練習時間が取れず、発声練習もせずに7分間のリハーサルだけで臨んだ。リハーサルでは、心配した通り、いきなりだからみんな声が出ない。それに加えて「太郎」の出だしでつまずいてしまい、曲が止まってしまったのには肝を冷やした。出番の直前のことである。「太郎」は練習のときからうまく歌えない状態が続いていたんだから、オンステするのは無理だったのではないか、などと後悔の思いがちらついたりしたが、もう後戻りはできない。
 で、本番はどうだったか。お二人の講師の講評をみてみるのがもっとも客観的でしょう。


佐藤 眞
 男声合唱は少ないので、とくに関心と期待をもって聴きました。
 ア・カペラのせいもあって音程の不安定さも加わり、テュッティの言葉がいまひとつ明瞭さを欠き惜しかったですが、全体をしっかりまとめ上げていてよかったです。今後の活躍を期待しています。

小野瀬照夫
 私も職場で男声合唱をしておりますが、そこで感じるのは、皆さんお一人お一人が美声の持ち主だということです。各パートの響きがそれぞれ充実しています。
 トップテノールのソロも素晴らしい。よく飛んでくる声です。言葉の発音もクリアーです。四声体のハーモニーの決めるべきところをしっかり押さえてあり、良いサウンドがします。


 佐藤眞さんの講評は厳しい内容だが、真摯に受け止める必要がある。「父のいる庭」は津村信彦さんの詩によるもので、多くの男声合唱ファンに親しまれている。とくに「太郎」は意表を突く内容で、楽しい。

 太 郎

妻のお腹の中に
太郎と呼ぶ子供がいる……
そいつが近頃では
夜になると
手をのばし足をひろげたりする
妻は
とき折寝床の上に坐り直す
ぼんやり考えている
すると俺も思案を始める

日本の美しい子供の伝説には
腹掛けをした裸の少年がいる
俺は肥りすぎて 人に笑われたが
裸の子供はいくら肥っていても
誰かが可愛がってくれるだろう
太郎 太郎 腹の中の太郎
お前の生れるのは 五月にほど近い日だ
青葉になった梅の木のもとで
お前の肥ったおやじが
夢を一杯みたした
産湯をつかわしてやろう


 さて、佐藤眞さんのご指摘である「テュッティの言葉がいまひとつ明瞭さを欠き惜しかった」とは何を指しているか考えてみたい。テュッティ(あるいはトゥッティ)tutti はイタリア語で、全員が同時に演奏すること、総奏などともいう。
 下に示した譜面のように、出だしはトップテナーのソロから始まり、セカンドテナーが引き継いで、2段目からテュッティになるがここから中盤まではとくに破綻してはいなかった。




 次の楽譜は、後半46小節から51小節までだが、とくに48〜49小節の3連符での掛け合いが難しい。49小節(2段目)では、テナー系は「つにほどちかいひだ」と歌い、ベース系は「ごがつにちかいひだ」となっている。この3連符の縦を合せ、正確かつ明瞭に歌わないと「テュッティの言葉がいまひとつ明瞭さを欠き惜しかった」となってしまうにちがいない。まさにここに問題があった。そのことは練習のときから分かっていた点でもあるが、完全に克服できないままであった。今後の課題である。




 それにつけても、バリトンが「♪俺は肥りすぎて 人に笑われたが…」とやると、なぜかとっても説得力があるという、ちょっと楽しい曲だ。



 われわれが出演した第2日目第1部は、午前10時スタート、途中で10分ほど休憩を挟んで27団体が演奏した。終了が午後2時。最後は女声合唱の合同演奏で「夢をあきらめないで」と「落葉松」を佐々木憲二さん(星野高校・星野中学校)の指揮で歌ってお開き。(⇒)


 グランツの面々は引き続き、浦和駅そばのモンゴル料理屋で打上げ開始、ということで第2部の演奏を聴く余裕はなかった。ステージより打上げが目当てのメンバー揃いである。

 このあと、合唱祭は第2部が午後3時から7時過ぎまで行われ、<埼玉県合唱祭で「くちびるに歌を」をうたう会>通称うたう会にトップテナーの野口享治さんと浅川清さんがダブルヘッダーで出演した。当然、グランツの打上げには参加できなかった。


 今回のニュースは、バリトンの新人深津博さんが入団間もないにも係らずオンステできたこと。まだ十分には歌えないからと遠慮するのを多少無理やりに引っ張り出したようなものだが、これで名実ともにGLANZの仲間入りである。





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